篠塚:ここまで過去から現在のお話を伺ってきましたが、今後の5年、10年についてはどんなビジョンを描かれていますか?
渕辺:「百名」は地名、「伽藍」はお寺の伽藍を表しているのですが、伽藍というのは、一般的に「大伽藍」や「七伽藍(なな/しちがらん)」と表現されることが多いんですね。このホテルには4つの棟がありますけれど、やはり大伽藍として、もっとたくさんの方が集まってきて喜んでくださるような場作りをしていきたいですね。もちろん、地域の方々にもご理解いただきながら手入れを続けていかなければとも考えています。将来的には、百名伽藍がこの地域に不可欠なものだったり、ある意味では精神的なものも含めた沖縄文化の発信源、その中枢になれたらと思っています。
篠塚:文化や空間、音に触れたりということを通して、とにかく沖縄の全部を感じてほしいということですね。そういった役割を達成するためには、やはり地域の方に受け入れていただくことも必要ですよね。
渕辺:百名伽藍のような、この土地にとっては新しいものの開発が「破壊」ではなくて「創造」につながればと考えているんです。館内にガジュマルや植栽も多くありますけれど、開業当初よりも緑が濃くなっているんですね。百名伽藍が出来たから土地も元気になっていくというように、この地域を創り上げていくことができたらと思っています。
篠塚:たとえば、その創造を他のエリアに広げたりは?
渕辺:いい場所があれば、とは考えていますが百名以上の場所がないんですね。これだけ海に近くて、波の音まで聞こえるというロケーションはないですし、やはり私自身として、そして百名伽藍として体現したいコンセプトや想いを追求したいと思っています。
篠塚:やはり単なるビジネスではなく宿とコンセプトやご自身の想いを深められたい、ということなんですね。開業から3年半とは思えないほど、重厚感や歴史を感じることができました。本日は、素晴らしいお話しをお聞かせいただきありがとうございました。
写真:奥間 聡 / 文:佐藤 里菜
百名伽藍オーナー兼総支配人
渕辺 美紀
鹿児島県出身。客室乗務員等での勤務を経て、昭和60年に(株)ビジネスランドの代表取締役社長に就任。平成5年には(株)ジェイシーシー設立、代表取締役副会長に就任。沖縄国際大学や琉球大学の非常勤講師を歴任し、平成24年に百名伽藍を開業。オーナー兼総支配人を務める。
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