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使命を持って極める「帰ってきたい宿」の未来

株式会社黄木コーポレーション

塩川:リニューアルオープンから10年間にわたって時の宿 すみれを推進してこられたということで、手応えと困難の両方があったと思います。今後の展望としてはどのようなことをイメージされていますか。

黄木:設備を増やしたり規模を大きくしたいという気持ちはなく、今すでにいらしているお客様はもちろん、これからお越しになるお客様にとっても、「第二の故郷」となるような場所にしていきたいですね。この宿では「本当にリラックスできる」、「ふたりの時間をゆっくり過ごせる」ということを通して、「帰ってきたよ」と言っていただけるような空間を作りたいのです。宿は、おふたりさま専用旅館で、お肉づくしのお料理があって、源泉100%かけ流しの温泉も楽しめるという部分があるのですが、そのことを通して幸せになれる人たちがいま以上にあふれていったなら、それこそ最高だなと思っています。

塩川:時の宿 すみれに宿泊された方が、何度でもこの場所に「帰ってきたい」と思ってくださることが願いなのですね。その願いはまるで黄木さんの使命のようにも感じられますが、何か原体験があるのでしょうか。

黄木:1979年、祖父母がこの場所に温泉を見つけて入植するところからはじまり、この建物を建てるのですが、一緒に桜の木をたくさん植えたのです。リニューアルオープンのためのいろいろな準備をまだ一人でやっていた2005年の5月に忘れられないことがありました。米沢市内では散っていた桜が、この場所ではたわわに満開でとても美しかった。背景は真っ青な空、周りには誰もおらず、川の音と鳥のさえずりだけがある。そして桜の花を見上げたときに、ここをなくしてはいけないのだと思ったのです。目には見えない、他人には分からない前身の旅館を創業した当時の祖父母の思いが伝わってきたのです。

塩川:おじいさまたちが土地を拓いて植樹をされた、そのときの思いが伝わってきたのですね。

黄木:祖父母も、桜を植えているときに、私が見たような素晴らしい光景をイメージしていたはずなのです。昨日植えて今日すぐにこうした環境になるわけではありません。温泉も、先人が山から引いて残してくださったものなのです。そういった環境はこの場所の宝物以外の何ものでもないのだと思います。

塩川:この景色に、先人たちと黄木さんの思いが宿っているのですね。本日は貴重なお時間をありがとうございました。

株式会社黄木コーポレーション

写真:熊谷 憲昭 / 文:宮本 とも子

株式会社黄木コーポレーション 代表取締役/女将 黄木 綾子

株式会社黄木コーポレーション 代表取締役

女将 黄木 綾子

山形県米沢市出身。東京観光専門学校を卒業後、「健康の宿すみれ荘」に勤務。その後、東京勤務、渡米を経て1998年米沢に戻る。レストラン「金剛閣」での勤務の後、「すみれ荘」で支配人を務める。2005年3月、(株)黄木コーポレーション代表取締役に就任し、同年10月「時の宿 すみれ」をリニューアルオープン。

Tokinoyado Sumire

Tokinoyado Sumire

山形県 > 米沢・置賜

コンセプトは、「おふたりさまに喜んでいただく」。最高級の米沢牛や湯の沢温泉を、大切な人とふたりで楽しむための一軒宿です。