Welcome to Relux

目指すのは、「自由なホテル」

塩川:今秋「10周年」を迎える「エグゼクティブハウス 禅」は、引き続き、ホテルニューオータニを引っ張っていく立場になると思うのですが、どういう方向に歩みを進めようと考えていらっしゃるのか、未来の話をお聞かせいただけたらと思います。

ホテルニューオータニ エグゼクティブハウス 禅

高畑:都内に住んでいてご自分の楽しみとして月に4〜5回、都内のさまざまなホテルに宿泊されるというお客さまがいらっしゃったのですが、一度「エグゼクティブハウス 禅」に宿泊してからずっと「禅」がいいと言ってくださりました。その理由は、「ラグジュアリーな空間の中で、スタッフがみんな楽しそうに働いていて、とても素敵な笑顔を見せてくれるからだ。」とおっしゃられたのです。職場環境がよくなければ、お客さまに笑顔を向けることはできません。コンシェルジュの力を強めるなど、いろいろと大事なことはあると思いますが、何よりもこのホテルニューオータニならではのあたたかみを大切に、更にお客さまにラグジュアリーな雰囲気を楽しんでいただけるよう努力していきたいと考えています。

塩川:お客さまがまた泊まりたいと思われるかどうかは、人とのつながりによる部分がとても大きいと感じます。お客さまに愛されている旅館さんやホテルさんは、人同士のつながりを大切にされている印象ですね。

佐藤:今の高畑の話が全てなのですが、ホテルは結局、人だと思うのです。人がホテルをつくるのですね。どういうお客さまにお選びいただいて、どういう風にホテルを愛していただけるかというのが1つ。あとは、スタッフです。私が支配人のときも、自分がどうスタッフに接したら、そのスタッフがどうお客さまに接してくれるかということを常に考えていました。1人のとても優秀なスタッフがいるよりは、「エグゼクティブハウス 禅」というチーム全体で、お客さまがいつ来られても同じような安心感をご提供できるかが、とても重要だと思っています。

塩川:まさに「人がホテルをつくる」ですね。

佐藤:私が支配人に就任したときには、まずは自分がお客さまにご認識いただくことに注力し、2年目にお客さまの声をもとにして特典を改定しました。3年目に行きついたのは、どのようなチームを形成して、「人」によってお客さまにご満足いただくかということです。次々と新しい立派なホテルができ、最新のテクノロジーを擁したホテルができていくのですが、新しいものばかりを追い求めても、日々追い付き追い越されることの繰り返しだと思います。一方で、スタッフの経験やチームの総合力というものは、時の流れと日々の試行錯誤の蓄積によってこそ厚みを増すものだと思います。高畑も、10年間のコンシェルジュの経験を通してその大切さを良く知っていますので、一番大切なことをバトンタッチできるだろうと思っています。

塩川:これから、2020年の東京オリンピックに向けて外資系のラグジュアリーホテルの参入が予想されます。その中で、国産のホテルとして今まで以上に磨きをかけていく部分ですとか、外資系ホテルとの差別化を図られたい部分はありますか?

佐藤:今いらっしゃるスイートルームのバスルームやベッドルームからは、庭の土や、池に鯉が泳ぐ様子も見ることができます。この環境は、1万坪の日本庭園を擁するホテルニューオータニならではであり、すぐにつくることはできないものだと自負しています。やはりその部分を発信しつづけて、差別化をしていきたいと思っています。

塩川:この日本庭園を、ホテルの象徴としてより発信していかれるのですね。

ホテルニューオータニ エグゼクティブハウス 禅

佐藤:海外から「エグゼクティブハウス 禅」にお越しいただくお客さまの中には、桜の満開の時期を予測して1年前から予約をくださる方ですとか、実際にいらして、桜が満開になるまで滞在を1週間延長されるなどといった優雅な方もいらっしゃいます。海外の方が桜をそこまで喜んでくださることは日本人としてとても嬉しい気持ちになりますし、桜をなるべく見ていただきたい、愛でてほしいという気持ちになるのですが、同じように、ホテルニューオータニの庭を愛で、ご評価いただけるということは、私どもにとって、とても誇らしいことです。同時に、これまでホテルニューオータニを愛して育ててくださった日本人のお客さまも大切にしていきたいですし、ブランディング―お客さまとのお約束はずっと守りたいと思っています。

塩川:既存のお客さまも大切に、これからもホテルニューオータニを、そして「エグゼクティブハウス 禅」をつくっていかれるのですね。

佐藤:海外のお客さまにホテルニューオータニの「エグゼクティブハウス 禅」をご評価いただくことを、日本のお客さまと一緒に分かち合える、そういったホテルでありたいです。今回の支配人交代の意味もそこにあると思っています。ブランディングとは、既存のお客さまや海外から来られるお客さまの「ホテルニューオータニに泊まったらきっとこんな滞在ができるのではないか」という期待感にお応えすることです。私は、新しい部署でそのブランディングに注力し、一方で高畑は今までの経験を活かして、国内外のお客さまの快適な滞在のお手伝いをする。そして、より多くのお客さまに、長くご愛顧いただける「エグゼクティブハウス 禅」をつくりあげることがミッションだと感じています。そこに、人として、チームとしての奥行きを出していけたらいいですね。

塩川:それぞれのミッションをそれぞれの立場で遂行され、より大きな目標にチャレンジしていかれるということですね。

佐藤:ホテルニューオータニは、創業当時から常に「NEW」、つまり新しいことへのチャレンジを続けています。日本初のユニットバスの導入など、建設の工程にもイノベーションがあったと思いますし、海外から来られたすべてのお客さまに富士山を見せたいという想いから、創業者・大谷米太郎がスカイラウンジ(現:「VIEW&DINING THE Sky」)を回転するレストランにしたという発想も「NEW」だったのです。もともとそうしたチャレンジを重ねてきたDNAといいますか、お客さまに喜んでいただけるならやってしまおうという気風が、私どもホテルにはあるのです。「エグゼクティブハウス 禅」にもこれまでのホテルニューオータニの歴史を受け継ぐ役割と、常に新しいことを取り入れホテルのブランドを磨き上げていく役割とがありますので、そういった意味で今後、高畑が率いる「エグゼクティブハウス 禅」が東京オリンピック・パラリンピックに向けて邁進できるのではないかと感じています。

塩川:お客さまに対するおもてなしの気持ちは変えずに、やり方を変えていくことは厭わずに進んでいくということですね。本日は、貴重なお話をありがとうございました。

ホテルニューオータニ エグゼクティブハウス 禅

写真:川田 悠奈 / 文:宮本 とも子

ホテルニューオータニ エグゼクティブハウス 禅  2代目支配人 佐藤 智子

ホテルニューオータニ エグゼクティブハウス 禅

2代目支配人 佐藤 智子

2001年4月、株式会社 ニュー・オータニ入社。同年8月よりフロントオフィス課に勤務。2007年「エグゼクティブハウス 禅」の立ち上げに参画した後、宿泊営業部 法人マーケット担当を経て、2013年「エグゼクティブハウス 禅」2代目支配人に就任。2017年5月よりマネージメントサービス課にて、ホテルのブランディングを担当。

ホテルニューオータニ エグゼクティブハウス 禅  3代目支配人 高畑 真紀

ホテルニューオータニ エグゼクティブハウス 禅

3代目支配人 高畑 真紀

オーストラリアで4年間に亘り、旅行会社の現地係員を務めたのち、日本に帰国。株式会社 ニュー・オータニ入社後は10年間コンシェルジュ経験を積み、2017年に「エグゼクティブハウス 禅」3代目支配人に就任。

Hotel New Otani Executive House Zen

Hotel New Otani Executive House Zen

東京都 > 六本木・麻布・赤坂・青山

2007年に誕生した、エグゼクティブハウス 禅。都心ながら豊かな自然に囲まれたこの場所で愉しめるのは、「新しいラグジュアリーホテル」の体験です。侘び・寂び、墨や和紙、和色を用いたインテリアが、開放感と安らぎを同時に演出します。