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江戸末期から宮島の歴史を見てきた「みやじまの宿 岩惣」。会社員の経験もある7代目女将が、女将としてのあり方、そして会社員の経験を持つ彼女だからこそできた工夫を語ります。

ゲスト

みやじまの宿 岩惣 女将 岩村 玉希

みやじまの宿 岩惣 女将

岩村 玉希

1976年生まれ。大学卒業後、TV局や銀行に勤めたあと、現在のご主人との結婚を機に宿泊業へ。2007年に「みやじまの宿 岩惣」7代目女将に就任。

インタビュアー

株式会社 Loco Partners 取締役 塩川 一樹

株式会社 Loco Partners 取締役

塩川 一樹

1979年生まれ、立命館大学経済学部卒。株式会社ジェイティービーを経て、株式会社リクルートへ中途入社。旅行事業部にて、首都圏・伊豆・信州エリア責任者を歴任し約2,000施設以上を担当。2012年7月より株式会社Loco Partners取締役に就任。

第1章 人生を大きく変えた旅館との出会い

みやじまの宿 岩惣

塩川:まずはじめに、女将のこれまでの歩みを教えていただきたいと思います。広島で生まれ、どのような学生時代を過ごされたのでしょうか。

岩村:わたしは引っ込み思案の目立ちたがり屋と言いますか、表現したいのだけども恥ずかしがり屋という面がありまして、中学から高校にかけてはずっとバンドをしていました。そして大学へ進学しまして、当時から接客業が好きだったこともあって接客のアルバイトを多く経験しました。

塩川:学生時代から、自分には接客業が合っていると思われていたのですね。そこから社会人なる段階で、どのような進路をとっていかれたのでしょうか。

岩村:当時、あるテレビ局がスタッフを募集していましたので、3年間ほどそこで勤めまして、それから銀行に転職しました。銀行では店頭での接客から事務まで、さまざまな仕事を経験しましたが、もともとそうやって人と話をするのが好きだったのだろうなと思っています。

塩川:旅館業に入られたきっかけは旦那さまとのご結婚だと伺っていますが、出会いのエピソードをお聞かせください。

みやじまの宿 岩惣

岩村:もともとはお見合いのような感じで相手方の写真が送られてきたのですけれども、その写真が正面を向いたものではなく普通のスナップ写真でしたので、面白そうな方だなと思いましてお受けしました。そうしましたら結構気が合ったのです。10月にお見合いをしたのですが、11月には宮島が繁忙期になりますので、「結婚する気があるならお付き合いするし、しないのだったら断ってください」と言われたのですね。それならばということで、翌年の5月にはもう結婚していました。

塩川:旦那さまが家業の旅館のお仕事をしていることはご存知で、ご結婚され、旦那様の家業を手伝うようになったのですね。

岩村:そうですね。当時は旅館が何をするかも全然わかっておりませんで、だからこそ逆に結婚できたのかもしれません。2人で食事に行きましても、お客さまに何かあれば何時間も放っておかれました。それはお仕事柄、当然だろうなと思っていましたね。結婚して、最初はブライダルプランナーのような感じのところから手伝いをスタートしました。まだ神社での挙式が流行っていない頃でしたので、ポツポツ問い合わせがあるかなという感じで、お花なども当日に自分で活けるような手づくり感のある婚礼でしたね。

塩川:そこからだんだんと旅館業の真ん中に足を踏み込まれていかれるわけですが、ご苦労もあったのではないでしょうか。

岩村:最初は客観的に仕事ができたのでよかったと思っています。当時は義母が体調を崩していましたし、旅館自体の経営状態も大変なことになっていました。結婚したときに「うちはお金がないよ」と言われていたのですが、バブル前に新館を建てたときの負債が残っていまして、それがわたしたちが一生働いても返せないような金額だったのです。そして、ある日突然、銀行の方に呼び出されまして、宿の経営状態についての現実を突きつけられました。そこでわたしは悔し涙を流してしまったのです。

塩川:旅館業に入って早々にお義母さまが体調を崩され、宿の経営状態について現実を突きつけられてしまったと。そこから女将としての日々がはじまるのですね。

みやじまの宿 岩惣

岩村:旅館へ入ってから14年が経ちますが、2007年に女将になってからは10年になります。女将になる1年前に義母が体調を崩し、わたしが表に出ていましたが、そのタイミングで娘も生まれましたのでいろいろなことが重なりました。

塩川:女将として旅館を引き継いでいく頃に母親になられて、日々難しさや大変さがあったと思います。どのように両立されていったのですが。

岩村:自分自身は両方を完璧にはできないと思っていましたので、あえて完璧にはしないようにと考えていました。ちょうどその頃、銀行のコンサルタントの方を含めた会議に出席しなければならなかったのですが、1歳の娘を誰にも預けるわけにはいかないので一緒に連れて会議に出たのです。しかし、連れてくるなと言われるのですね。子育てもわたしの仕事ですし、会議をないがしろにしようと思って連れてきているわけではないと伝え、両立をしてきました。

みやじまの宿 岩惣 女将 岩村 玉希

みやじまの宿 岩惣 女将

岩村 玉希

1976年生まれ。大学卒業後、TV局や銀行に勤めたあと、現在のご主人との結婚を機に宿泊業へ。2007年に「みやじまの宿 岩惣」7代目女将に就任。

みやじまの宿 岩惣

みやじまの宿 岩惣

広島県 > 広島・宮島

はじまりは安政元年。その歴史は、今からおよそ160年も昔に遡ります。日本の伝統建築が随所に見られるこの宿。長きにわたり歴史を見つめてきた岩惣で、情緒豊かな和の旅をご体験ください。