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第3章 十勝らしさを引き出すマネジメント

森のスパリゾート 北海道ホテル

塩川:北海道ホテルの23年間の歴史の中で、面白いエピソードはありますか?

林:北海道ホテルなのになぜ札幌にないのか?ということはよく言われます(笑)どうしても「北海道イコール札幌」というイメージが強いんですが、札幌の人に北海道らしい場所はどこか?と聞くと十勝と答える方が多いんですよ。田園風景や畑作風景、大自然があり、食が豊かで、おいしいお菓子があって。あと酪農ですね。

塩川:やはり十勝には北海道らしさが詰まっていて、道内の方にとっても望郷の里のようなイメージがあるんでしょうか。

林:そうですね。観光地としてはまだまだ知名度は高くないですが、それでも農業、酪農王国という「北海道らしさ」はダントツだと思っています。それを認識しているからこそ、我々は北海道ホテルという名前をつけているんです。北海道らしいホテルこそ十勝にあるべきだという認識です。

塩川:十勝に伺って、食事もごちそうになったのですが、十勝の市町村をテーマにした食事の取り組みはとても面白いですよね。料理にかける想いは、どのようなものですか。

林:やはり、十勝は農業と食が間違いなく第一なんですね。畑作や酪農を中心に発展してきた歴史があるわけですから、その歴史を外して運営することはできません。同じ十勝でも19市町村それぞれ、食も雰囲気も自然も違いがあります。フキノトウやギョウジャニンニクなどの山菜、鹿などのジビエもそうです。地域によって色々なタイプと違いがあるんです。

森のスパリゾート 北海道ホテル

塩川:お話を伺っていると、それだけの知見や交流の量は現場に興味を持たなければついてこないと思うんですね。林さんは重要なポジションの方ですが、どこでもフランクに会いにいくというのは日常的なライフワークになっているんでしょうか。

林:当然ながらそうですね。農業者、酪農関係の友人も多いですし、16年ほどこの場所にいると農業のIT化、観光のグローバリゼーションなど、情報がたくさん入り常に変化していることに気づかされます。経営のあり方も変わってきていると感じていて。自分自身、「十勝千年の森」の社長になった時には現場に没頭し、現場の仕事を取るくらい森に入りガイドもして、重機に乗って働きました。でもお客さまの数は増えなかったんです。その時に、自分の役割は顧客創造のために営業や企画戦略構築などであって、自分の強みを活かすことが重要なんだと認識したんです。現場に入り過ぎ、邪魔することではないと。木を見て森を見ず、ではなくて木を見ながら森も見ていかなければと思った時に、一人ひとりの強みやキャラクターを活かすことが必要だと分かったんです。

塩川:「一人ひとりの強みやキャラクター」に関連して、ここから少し「人」のお話をお伺いします。まず印象に残ったのが、スタッフさんがみなさん笑顔でご挨拶をくださったこと。どんなことを意識しながらチーム作りをされているんですか?

林:最初にしたことは3つあって、忖度なしにオープンに話せる環境を作り、それをいつでも自由にホワイトボードに書きながら、見ながら意見を言える場所を作りました。自由な意見をより言えるよう、社長就任時に「怒らない宣言」もしましたね。怒りは社内を不安定化させ、生産性の低下につながりますので。あとは、最初の2ヶ月ぐらいはここに住みましたね。ホテルに(笑)まずは現場を顧客視点で知り、問題を認識する。そして、問題に順序をつけ、慎重にマネジメント視点で論議していく。そこから実際に、ものすごくチームが良くなっているんです。

塩川:現場の雰囲気のほか、お客さまからの反応はいかがですか。

林:やっぱり違いますよね。スタッフ同士で、常に自然な笑顔で相手の性格、価値観、強みを引き出すということを覚えてもらっています。そうすると、同じようにお客さまの性格、価値観、強みを推測しながら接客するようになりますから、格段によくなります。

塩川:余談ですが、私が北海道ホテルに伺った際にもスタッフの方が声をかけに来てくださったりして、非常に風通しの良さを感じました。成果が出ているということですよね。まずスタッフの皆さんとのコミュニケーションのあり方が改善してきて、顧客目線に発展して。宿のレベルがどんどん上がっていくという好循環ですね。

林:はい。顧客視点になって、小さな問題点も全て拾ってプロジェクト化して、チームで解決することを意識しています。しかしながら、仲良しこよしでは困るので、顧客アンケートによる点数評価は常に目標を高く設定し、モチベーションを高くする努力をしています。

森のスパリゾート 北海道ホテル 取締役社長 林 克彦

森のスパリゾート 北海道ホテル 取締役社長

林 克彦

1975年、北海道帯広市生まれ。大学卒業後にカナダ留学をしたのち北海道に戻り、ホテル業以外にも様々な職種を経験。「北海道ホテル」は1994年に命名され運営開始。2015年「森のスパリゾート 北海道ホテル」に改名。2009年には大雪富良野から十勝エリアに広がる8つのガーデンを連携させ「北海道ガーデン街道」を立ち上げる。2017年に株式会社北海道ホテル取締役社長に就任し、北海道ガーデン街道協議会、とかち帯広ホテル旅館組合会長、帯広観光コンベンション協会副会長も務める。

Spa Resort in the Forest Hokkaido Hotel

Spa Resort in the Forest Hokkaido Hotel

北海道 > 帯広・十勝

JR帯広駅から車で5分。美しい森の緑に囲まれて佇むのが、森のスパリゾート 北海道ホテルです。自然・食・温泉など、十勝の天然の恵みが詰まったホテルで、十勝ブランドをご体験いただけます。