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第2章 現場で培ったホテルマンとしての勘

塩川:突然日本に帰国することになって、その時の心境を振り返るといかがですか。

河本:働く先など、「どうしよう」「いや、どうにかなるか」という複雑な気持ちでしたが、その後ご縁があってヒルトン・ホテルズ&リゾーツ(以下、ヒルトン)のヒルトン東京ベイに入ることができ、いわゆる大型ブランドホテルのあり方を初めて知ることができました。カンファレンスホテルは独立系のホテルでしたから、そこまで深くキャリアパスに繋がるシステマティックなトレーニングは受けていなかったのです。ですから、様々なセグメントを迎え入れるヒルトンに入って、改めて大型ホテルの運営、ブランドなど色々なことを学べました。

ザ・ゲートホテル

塩川:ここで、点が線になるようですね。努力して習得された英語、そしてアメリカのホテルの仕事を経験され、また階段を登ってヒルトンでチャレンジされ、知見が広がったことと思います。ここから少し話題を変えて、ヒルトンの先のキャリアについてお聞かせいただけますか。

河本:もともとヒルトンにいた方が立ち上げたイシン・ホテルズ・グループ(以下、イシン)に入社し、京都のホテルでルームズディビジョンマネージャーを務めることになりました。

塩川:国内で初めてのご転職、勤務地も初めての京都ですね。期間は2年半ほどだったと伺っていますが、京都ではどんな経験をされましたか。

河本:「京都でビジネスをするということ」を学びながら、当時のイシンのホテルでは、会社のビジョンを持って各プロパティに合った方向性を決め、国内老舗ホテルをグローバルホテルに変えていくための様々な取り組みをしていました。これは、完全なブランドスタンダードとシステムでオペレーションを動かすヒルトンとは異なる部分です。既存のシステムを各プロパティに合わせ直して、クラッシュ&ビルドを繰り返しながら課題を見つけて改善し、そしてリビルドするというスタートですね。同時に、もともとおられる方々の経験値が高く、宿泊のみではなくホテル自体のことがすごく勉強できました。

塩川:なるほど。イシンを経て古巣のヒルトンに戻られていますね。思い出やエピソードも多いのではないでしょうか。

河本:イシンからヒルトンへ戻ってからヒルトン東京に着任したのですが、最初に経験した「ヒルトン東京ベイ」とは客層もホテルとしてのプレゼンスも違いました。従業員の動きも、お客さまに対する考え方、お客さまと過ごす時間も全く違います。イシンで体得した「自らシステムを変えて良くする」という経験をヒルトン東京でも同じようにやってみて、ブランド・システムの中でオペレーションを構築する上で自分の成長も実感することができました。

塩川:ここまでお話を伺って、ホスピタリティをどうビジネスにつなげるか、という興味を一貫してお持ちだということが見てとれました。

河本:その通りです。ホテルは労働集約産業「ピープルビジネス」です。人が携わることで生まれる複雑な人間関係、言葉のニュアンス、五感を通したインスピレーションなども測るべきものですが、数値指標はレベニュー、コストなど、とてもシンプルです。しかし、シンプルなやり繰りを行なうのは結局「人」なのです。日々のホテルオペレーションに向かい、役職に関係なく皆が高い意識で働き、結果として数字を伸ばせることへの興味は尽きませんし、奥が深く楽しいですね。

ザ・ゲートホテル

塩川:ビジネスとしては数字の積み上げがあるわけですが、スタッフの方がどうお客さまを喜ばせたかが時間をかけて数字になっていくというつながりも見えますね。その後に河本さんの活躍の舞台となるのが、マリオット・インターナショナル(以下、マリオット)ですね。

河本:京都時代のご縁でウェスティンホテル仙台の宿泊部長を経て総支配人に着任したのですが、2010年8月に開業して2011年3月に東日本大震災が発生し、その際にはホテルはコミュニティの重要なインフラのひとつだと痛感しました。また、当時の東北に初のインターナショナルブランドを立ち上げたウェスティンとして、地域・仙台のよいものを表現、発信することに傾注していました。自分たちのホテルだけで発信を行うには限界があり、行政や地元の方々、メディアとも連携しなければ、自分たちのプレゼンスやロケーションの魅力を外に伝えられないことも学び、コミュニティに存在するホテルのポジショニングなども改めて感じました。

翠嵐 ラグジュアリーコレクションホテル 京都  総支配人 河本 浩

翠嵐 ラグジュアリーコレクションホテル 京都 総支配人

河本 浩

1970年生まれ。1997年渡米。米国の大学で観光業、ホスピタリティ経営学を学びながら、ホテルオペレーションに従事。2003年に帰国後、内外資のホテルで研鑽を積む。ウェスティンホテル仙台、東京マリオットホテルの総支配人を経て、2015年より翠嵐ラグジュアリーコレクションホテル 京都の総支配人を務める(2019年2月28日時点)。

Suiran Luxury Collection Hotel Kyoto

Suiran Luxury Collection Hotel Kyoto

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Iraph SUI, a Luxury Collection Hotel, Miyako Okinawa

Iraph SUI, a Luxury Collection Hotel, Miyako Okinawa

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