Welcome to Relux

リピーターではなく「ファン」をふやすこと

篠塚:全員にとって良いホテルになれるよう努力するのではなく、認知の分母を広げていくということですね。平均的なサービスを作りたいわけではなくて、特定の趣味が合う人に来ていただけたらとお考えなのですか?

木下:私はそれで十分だと思っています。このホテルのテイストは自分に合うな、と思ってくださる方の数を増やしていく。仮に100人中10人がそう思っていたとして、残りの90人もそちらに向ける努力をするよりも、100人しか知らなかったところを1000人にして、そのうち100人はすごく良いと思ってくださるという方向にすべきなのだと思っています。その点、インターネットを活用することはとても効果的ですね。そして、直接の口コミ。ご自分はいつもレストランに来られていて宿泊されたことはないのに、「すごく良いホテルだからぜひ泊まりなさい」と他の方にご紹介いただいたこともあります。

庭のホテル

篠塚:それは面白いストーリーですね。まだ宿泊を体験したことがないにも関わらず、いろいろな情報を見聞きしている間に、気づくと庭のホテル 東京のファンになっているのですね。会社で働かれているスタッフの方を見てもロイヤリティが高いというお話をさせていただきましたが、お客様のロイヤリティも高い印象を受けます。

木下:そうですね。当初から、いわゆる「リピーター」のお客様ではなく、庭のホテル 東京の「ファン」を増やそうと思っていました。一般的には、ポイントが貯まっているから泊まるという金銭的なロイヤリティはあっても、「絶対にここに泊まりたい」というロイヤリティの高さはあまりないということも多いですよね。

篠塚:たしかに、一度も宿泊していないのに他の方に紹介してくださるというのは、まさに「ファン」ですよね。非常に勉強になりますし、Reluxとしても「ファン」を増やすためのお手伝いをしなければと感じます。ほかに、庭のホテル 東京の強みはどこにあるのでしょうか。

木下:「人」ですね。もちろん揉めごとはゼロではないですが、素直なスタッフばかりで仲も良いですし、みんなでともに頑張ろうという気持ちが強いです。それは、おそらくお客様にも自然と伝わること。庭のホテル 東京の雰囲気が好きで来てくださるお客様で、「庭のホテル 東京の良さは言葉ではうまく伝わらないのよ。行ってみればわかるから」と仰る方がいらっしゃいますが、何となく流れているそうした雰囲気をスタッフのみんなが作ってくれているのだと思います。

篠塚:言葉にはしづらい無形の価値を感じているからこそ、「うまく伝わらない」と仰るのかもしれません。そうした「人」がつくるサービス面で心掛けられていることはありますか?

庭のホテル

木下:庭のホテル 東京は決してラグジュアリーホテルではないので、至れり尽くせりのサービスをしたいとは思っていないのです。私自身が、あまり構われすぎるサービスよりも、どちらかというと付かず離れずのサービスが好みなのですね。これに関しては、納得していただける方とそうではない方とあると思います。それでも、口コミなどでその点を評価してくださる方もいるので、ハード面だけではなくサービス面も気に入っていただけているのではないかと思っています。もちろん、一人一人の好みは違いますから、至れり尽くせりのサービスがお好みの方がいらしたなら可能な範囲でリクエストにはお応えしますが、どなたにでもそうするのが良いとは思っていないということです。

篠塚:全体でおもてなしを統一するのではなく、それぞれのお客様の好みにあわせようということですね。

木下:それが一番難しいことで、なかなか実現できていないこともあるのですが、理想としてはそうしたいと思っています。

庭のホテル 東京 総支配人/株式会社UHM 代表取締役 木下 彩

庭のホテル 東京 総支配人/株式会社UHM 代表取締役 木下 彩

木下 彩

1960年、東京都出身。上智大学を卒業後、株式会社ホテルニューオータニに入社。同社を退社後、1994年に株式会社東京グリーンホテル(現 株式会社UHM)に入社、取締役に就任。1995年に代表取締役に就任。2011年より庭のホテル東京の総支配人を兼務。2013年に「ホテリエ・オブ・ザ・イヤー」を受賞。

Hotel Niwa Tokyo

Hotel Niwa Tokyo

東京都 > お茶の水・湯島・九段・後楽園

“江戸の粋”がコンセプトの美しい室礼が魅力の、庭のホテル 東京。伝統とモダンの調和のなかで居心地の良い滞在を愉しむことができます。