Welcome to Relux

スタッフの幸せがお客様の幸せ

篠塚:では、これからの展望をお聞かせください。開業されて以来さまざまな社会的変化もありましたが、今後はどう進まれるのでしょうか。

庭のホテル庭のホテル

木下:さきほど申し上げたようなサービスの一層の拡充ですとか、もうすぐ7年経つので少しずつリニューアルもしていけたらと考えています。あとは、やはり「庭のホテル 東京に泊まりたい」と思ってくださる方を増やしていくことですね。一方で、事業所が2ヶ所のみのため、スタッフの成長過程にあわせてポジションを用意できないという問題もあります。もちろんみんなが当社のホテルで楽しく充実して働いてくれれば一番良いのですが、スタッフが選ぶ新しい道も尊重しなければいけません。その時、「さすがに庭のホテル 東京で働いていた人はすごいね」と言われるような、エンプロイアビリティのある人物になっていけるようにスタッフを育てなければいけないと思っています。

篠塚:成長したスタッフが結果的に庭のホテル 東京を去ることになっても、庭のホテル 東京で得たものを糧に別のホテルで活躍してくれたなら、それは木下さんにとって幸せなことだということですね。

木下:もしかしたら、そのようにして旅立っていったスタッフが経験を活かして新しいホテルや旅館を作り、業界を盛り上げてくれるかもしれないですよね。だから、ホテルで働きたいと思う人の数を増やしたいとも考えています。現在のホテル業界は、残念ながら人気の高い業界ではないですが、それは業界にとって大きな問題なのですね。もっと夢を持ってこの業界で働きたいと思ってもらえるようにしていかなければならない。きちんと成果をあげている若い人たちが、それに対しての報酬もきちんと受け取るように努力していかなければいけないと感じていますね。

篠塚:庭のホテル 東京や木下さんだけで何かをするということではなく、より大きな意味で、ホテル業界を盛り上げていきたいと。

木下:そこで私がどれだけ役に立てるかは分からないのですが、もともとホテルに携わっていた経験のない方がホテルビジネスをすると、残念ながら儲けることだけが目的になってしまうこともありますよね。そういった意味では、せめて私たちは何とかして頑張らなければいけないと思います。

篠塚:庭のホテル 東京として、さきほど仰っていた若いスタッフの活躍を促すことができた例や、実際にお客様から頂いたおもてなしへの感想などはありますか?

庭のホテル

木下:エピソードはたくさんあるのですが、東日本大震災のあと、東北でカウンセリングのお仕事をしている女性が泊まりに来てくださって、チェックアウトの際に頂いた感想が印象的です。「本当に数ヶ月振りに、素の自分に戻れた気がします。今まで自分が意識しないで気を張っていたものが、すっと抜けました」と、そう言ってくだったのです。私にとって、ホテルは心からくつろげる一番の場所であるべきもの。仕事で来るにせよ、遊びで来るにせよ、ホテル自体を目的に来るにせよ、それが何より大事だと信じていますし、そういう場所であり続けられればいいなと思っているので、涙が出るほど嬉しいご感想でした。実際にお客様にそういう風に感じていただけている雰囲気は、一人一人のスタッフがみんなでつくっているものです。私自身は、実は何もできていない。実際にお客様に向かい合うのはスタッフであり、スタッフが本当に幸せでなければ、お客様を幸せにすることもできない。そういう意味で、ここで働くスタッフたちを幸せにすることが私の仕事なのだと思っています。

篠塚:スタッフが幸せであるからこそ、クオリティの高いサービスをお客様に提供することができる。その支えとなっていらっしゃる木下さんの人柄が庭のホテル 東京の空気をつくり、「ファン」を増やしているのだと感じました。本日は、貴重なお話をお聞かせいただき、本当にありがとうございました。

庭のホテル

写真:田中 和広 / 文:宮本 とも子

庭のホテル 東京 総支配人/株式会社UHM 代表取締役 木下 彩

庭のホテル 東京 総支配人/株式会社UHM 代表取締役 木下 彩

木下 彩

1960年、東京都出身。上智大学を卒業後、株式会社ホテルニューオータニに入社。同社を退社後、1994年に株式会社東京グリーンホテル(現 株式会社UHM)に入社、取締役に就任。1995年に代表取締役に就任。2011年より庭のホテル東京の総支配人を兼務。2013年に「ホテリエ・オブ・ザ・イヤー」を受賞。

Hotel Niwa Tokyo

Hotel Niwa Tokyo

東京都 > お茶の水・湯島・九段・後楽園

“江戸の粋”がコンセプトの美しい室礼が魅力の、庭のホテル 東京。伝統とモダンの調和のなかで居心地の良い滞在を愉しむことができます。