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「人は誰でも豊かな内なる泉を持つ」と語る、那須高原・二期倶楽部の総支配人 北山氏。その根底にある経験や文化リゾートとして二期倶楽部が担う役割を伺いました。

ゲスト

株式会社二期リゾート 代表取締役/二期倶楽部 総支配人 北山ひとみ

株式会社二期リゾート 代表取締役/二期倶楽部 総支配人

北山ひとみ

東京都出身。1980年、株式会社栄光の創立に携わり、1986年に「二期倶楽部」開業。長期滞在型レジデンス「アート・ビオトープ那須」、東京・千鳥ヶ淵のライブラリーカフェ「ギャラリー册」の運営、2014年より「千本松・沼津倶楽部」のホテル運営受託事業を手掛ける。

インタビュアー

株式会社 Loco Partners 取締役 塩川 一樹

株式会社 Loco Partners 取締役

塩川 一樹

1979年生まれ、立命館大学経済学部卒。株式会社ジェイティービーを経て、株式会社リクルートへ中途入社。旅行事業部にて、首都圏・伊豆・信州エリア責任者を歴任し約2,000施設以上の担当を歴任。2012年7月より株式会社Loco Partners取締役に就任。

"北山ひとみ"という経営者が生まれるまで

二期倶楽部

塩川:まずはじめに、これまでの北山さんの歩みをお伺いしたいと思います。

北山:私は1972年に結婚をしたのですが、相手の方は今でいうと学生起業家のような方で、学生時代から小さな私塾を営んでいました。学生結婚で、卒業後すぐに塾事業のサポートをはじめ、同時に母親として子育てもしていました。大変忙しく、花嫁修業はおろか就職もしたことはありませんし、経済学、ましてホテルのマネジメントについても学んだことはありませんでした。その間には離婚も経験し、決して順風満帆とはいえない波乱万丈な人生を歩んできました。それでも、三十数年間にわたって二期倶楽部を経営してきた中で、経営者とは何かを自問しつづけ、日々の実践を各事業に関連づけて体系化してきた結果、北山ひとみという経営者ができあがったという気がしています。

塩川:これだけの施設と地域を巻き込んだ取り組みをされているというお話をお聞きしていましたので、お会いするまではとても強靭なメンタリティをもった経営者であり、手が届かないような方なのだろうという印象を持っておりました。しかし実は、一歩ずつ一歩ずつ歩まれてきたのですね。そして1986年、全6室の「二期倶楽部」を始められたということですが、客室数にはこだわりがあったのですか?

北山:本当は10室くらい欲しかったのですが、最初に購入した土地が2000坪しかなかったのですね。それで、お部屋のボリュームをシミュレーションしましたときに、10室取ってしまうと一方はすぐ川ですし、間口も道路の引きを取ることができなかったのです。そこで結果的に6部屋になりました。実際の土地の形状、それからそのときの状況をみて、最も美しいフォルムがこのかたちだったということです。

二期倶楽部二期倶楽部

塩川:こうした美しい建築、空間のイメージはもともとお持ちだったのですか?

北山:建築は土地の持っている条件によって制約されるものなので、「こういうフォルムの建築」という具体的なイメージはありませんでした。1980年代ですから、当時はバブルの足音が聞こえて、ポストモダンな奇をてらった建築も多かったのですが、私自身はこの北関東の風土にあった和の建築がよいと思っていました。ですから、本館に関しては赤松、大谷石、白河石など、この土地で調達できる素材を使ってシンプルに仕上げました。エントランスの大谷石の壁は、シーズン中の喧騒や那須連山から吹き降りてくる風の防御も兼ねています。

塩川:この土地らしさを具現化されたのですね。もともとは東京におられたとのことですが、この土地に対する思いというものはありますか?

北山:当時、夫の仕事が急成長していったのですね。小さな私塾の時代から夫とともに歩んできましたが、男性中心のマネジメントに違和感を覚えたこともあり、私にできる仕事をやってみたいと強く思ったのです。建築やアートが好きでしたので、宿屋業ならばこれまで蓄えてきた知識でできるのではと考えたのです。土地さがしには時間をかけました。軽井沢や箱根、伊豆半島にいたるまで、いろいろ見てまわりました。そんなある日、知人からこの地を紹介され、雄大な山並みや川の流れ、清流の美しさに感動して、すぐに「この場所だ!」と決断しました。

塩川:「この場所だ!」と思えるほど心に響くものがあったのですね。

北山:この場所は「横沢」というところなのですけれども、決して便利な立地ではありません。それでも、郷土史に「メインストリートから少しはずれた沢の豊かな地」とあるように、川が豊かで美しい場所なのです。

二期倶楽部
株式会社二期リゾート 代表取締役/二期倶楽部 総支配人 北山ひとみ

株式会社二期リゾート 代表取締役/二期倶楽部 総支配人

北山ひとみ

東京都出身。1980年、株式会社栄光の創立に携わり、経営企画室取締役・第二事業本部長を経て1986年に「二期倶楽部」を開業。その他、長期滞在型レジデンス「アート・ビオトープ那須」、東京・千鳥ヶ淵のライブラリーカフェ「ギャラリー册」の運営のほか、2014年より「千本松・沼津倶楽部」のホテル運営受託事業を手掛ける。