ヒルズテラス函館

無数のきらめく光が、この地方のシンボルとなっている北海道駒ケ岳の上に覆いかぶさっていた。 空気が澄み切っていて、手を伸ばせば届きそうなほど星が近い。 それは夢の景色のように、ただひたすら美しい眺めだった。 函館に降り立った途端、空気の違いに驚いた。 空港から車で約１時間。 ヒルズテラス函館でもう一度、清爽な風の流れに胸がときめく。 そこに広がっていたのは見渡す限りの大自然。 北の大地の魅力にどっぷり浸かれる麗しき舞台だった。 木漏れ日が美しい白樺の森、草花が揺れる草原、牧場の面影を残すサイロ。 どこまでも続くのどかな風景にゆっくりと心が解きほぐされる。 ８棟のヴィラが佇むのは広大な敷地の西端に位置する丘の上。 木の温もりを生かした部屋に入ると窓いっぱいに駒ケ岳の優美な姿が広がり、 張り出したテラスからは山の裾野がきれいに見えた。 中にいても自然を感じ、外にいても部屋のように安らげる。 そんな境界のない空間が、非日常の感覚へ誘う。 朝、鳥たちのさえずりで目が覚めた。 凛とした外の冷気に当たりたくなって、散策に出かける。 ここは大沼国定公園に近く、少し足を延ばせば、 春から秋にかけては乗馬やボート、サイクリング、 冬はスノーモービルやワカサギ釣りなど、多彩なアクティビティが楽しめる。 木々に囲まれた敷地内の小道を進むと突然、目の前が開け、池のほとりに辿り着いた。 カヌーが岸に係留してあり、その先には冬になると渡り鳥が飛来する池があるという。 樹木の爽やかな香りを味わうように生まれたての空気を大きく吸い込む。 すると、細胞の隅々まできれいになっていく気がした。