古いものを大切に使うというエシカルな視点でこの先お部屋は少しずつ新しく変わる事を想定してあえて4にしました。よく手入れされたお庭と縁側がついた静かな和室で、リラックスして過ごせました。調度は歴史を感じさせる落ち着いた設で、どこも清潔で気持ちよかったです。抹茶と生菓子を頂きつつ床の間の冬牡丹の掛け軸や生花など、久々和のおもてなしを味わいました。 今回の旅の目的のお料理は、夕食も朝食も大変素晴らしいものでした。特に虎魚の葛うちは、大切に使われてきた豪華絢爛な年代物の蒔絵のお椀で、味はもちろんのこと、美術品のような器で実際に食事できる高揚感に包まれました。香箱蟹は女将さんから美味しい食べ方を教えていただき、お皿にあけて色んな部位を混ぜながら口に運ぶと至福のひと時。伝統の鴨の治部煮は椀の蓋を取ると美しく盛り付けられ、またその椀の内側の松笠の高蒔絵も豪華。蟹の茶碗蒸しにはたっぷりと香り高いトリュフの餡がマッチして、進取の嗜好と古伊万里のスタイリッシュな器で印象に残りました。 細やかなサービスも好印象。食事から戻ると洗面所のフカフカのハンドタオルは補充されており、浴衣も部屋着と柔らかな寝巻きの2種類に加えバスローブも。枕の種類も多くから選べ、アメニティは優しい香りのロクシタン。Wi-Fiも問題なく接続、新聞は北國新聞。貸切風呂も朝夕2回使わせて貰いましたが快適でした。 お宿とコラボのハイドロフラスクのマグボトルがお土産に付いていて、出立の時に温かいほうじ茶を入れて持たせてくれました。中居さんに美術館に行きたいと話していたからか、展覧会のチケットもいただき大変感謝。この後ミュージアム三昧で、県立美術館で国宝やたくさんの美術工芸品をみて、更に浅田屋さんで頂いた素晴らしいお料理と器の数々がいい思い出となりました。季節を通して訪問してみたいお宿です。次回をまた楽しみにしています。おせわになりました。