第24回 「丸の内に住む」という体験を叶える、オークウッドプレミア東京

オークウッドプレミア東京

「丸の内に住む」ようにライフスタイルをつくりあげる空間を提供する、オークウッドプレミア東京。サービスアパートメントへの想いなどについて伺いました。

ゲスト

オークウッドプレミア東京 総支配人 浅井 信一路

オークウッドプレミア東京 総支配人

浅井 信一路

アメリカとカナダでホスピタリティの経験を培い、フォーシーズンズホテル椿山荘東京とバンコク、フォーシーズンズホテル丸の内 東京、ザ・ペニンシュラ東京を経て、アマン東京の副総支配人を務める。2015年、オークウッドプレミア東京の総支配人に就任。

インタビュアー

株式会社 Loco Partners 代表取締役副社長 塩川 一樹

株式会社 Loco Partners 代表取締役副社長

塩川 一樹

1979年生まれ、立命館大学経済学部卒。株式会社ジェイティービーを経て、株式会社リクルートへ中途入社。旅行事業部にて、首都圏・伊豆・信州エリア責任者を歴任し約2,000施設以上の担当を歴任。2012年7月より株式会社Loco Partners取締役に就任。

目次

アメリカでのベルマン経験から始まったホテル人生

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塩川:浅井さんのホテルマンの人生のはじまりからお話をうかがいたいと思います。

浅井:私は中学3年生から高校、大学までアメリカで過ごしていました。デンバー大学ホテル・レストラン経営学部在学中にベルマンのアルバイトをしまして、ホテルというのはおもしろいな、と感じたのがはじまりです。当時は学生でしたので、いいチップをもらうにはどうしたらいいかということを考えていましたね。よいサービスを提供すればそれがチップとして返ってきます。フレンドリーなサービスというのは、もしかしたらそういうところから来ているのかもしれません。アメリカのホテル文化だと思いました。逆に日本のほうが、レストランに行っても事務的に感じることがありました。サービスはいいけど、フレンドリーではないという印象を受けましたね。

塩川:そうした経験を経て、ホテルマンになられたのですね。

浅井:就職活動には苦労しました。就職もアメリカのホテルにという思いがあったのですが、就労ビザを取るというのが非常に困難な時代でしたので諦めて日本に帰ろうかと考えたのです。しかし北米のライフスタイルが好きだったので、アメリカのカルチャーに1番近い、カナダの「カナディアンパシフィックホテルズ&リゾーツ」(現:フェアモントホテルズ&リゾーツ)に入社しました。日本人観光客が訪れる場所でしたので日本人のアシスタントマネージャーがいまして、いろいろとサポートしてくれました。そこは非常に楽しい職場で、25歳から3年間いました。

塩川:カナダで3年間を過ごされて、次のキャリアを意識されたのはどのようなことがきっかけだったのでしょうか。

浅井:そうですね。日本人のお客さまが多く日本人の方と接することが多かったのですけれども、自分は日本のホテルで働いたことがないなと考えたことと、長く勤めているスタッフが多く、上のポストが空かないため昇進がしづらかったのです。流動しているのは下の人たちばかりで、ここにいても歳を取っていくだけで昇進ができない、と思いました。そこで、日本のホテルの求人を探し、フォーシーズンズホテル椿山荘東京(現:ホテル椿山荘東京)に転職し、6年間勤めました。

塩川:初めて日本のホテルでのキャリアを開始されたのですね。6年の間で印象深いできごとはありましたか?

浅井:宴会やグループのコーディネートするカンファレンスサービスマネージャーをしていました。料理、宴会、お部屋の知識から、宴会場ではどれくらい電源を取れるかといったホテル全体の細かなことまで知っていなければいけませんでしたが、なかなかおもしろかったですね。

塩川:ジェネラルな仕事の仕方をそこで覚えていかれたのですね。そこで6年が経過し、また次のステップへと進むタイミングがあったのでしょうか。

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浅井:ありましたね。それが長野オリンピックです。当時は長野にあまりホテルがなく、オリンピック関係者の方たちは東京に滞在して長野新幹線で長野に通っていたのです。私はオリンピック関係者の滞在をコーディネートの担当をしました。フォーシーズンズホテル椿山荘東京開業以来1番大きな案件で、非常にやりがいのある仕事でしたね。そういった大きな仕事を担当した後、モチベーションが落ちてしまったのです。それで、これまで営業の仕事をしたことがないので営業がやりたいと思うようになりました。そのタイミングでたまたま当時の副総支配人がバンコクに転勤になり、そこで日本人の営業が欲しいのでバンコクに来ないかと誘われたのです。

塩川:そして1999年の12月からバンコクでの新しいホテルマン人生がはじまるわけですね。

浅井:バンコクは大変でしたね。ホテルの数がものすごく多かったので、顧客の奪い合いでした。ただ前任の方のおかげで、日系企業を中心に大使館、商社、メーカー等様々なお客さまが入ってくださっていたのです。そうした企業の出張者やVIPの宿泊契約を取るというのが大きなモチベーションでしたね。日本にも年3回ほど出張に来てエージェントセールスもしていました。宿泊の約25%のシェアを占める日系のビジネスをすべて任せていただいていましたね。バンコクには2002年までいました。

今に活かされる、3つの「ホテル開業」の経験

塩川:バンコクに3年間滞在されたあと、再び日本へ帰国されたのには何かきっかけがあったのでしょうか。

浅井:当時「フォーシーズンズホテル丸の内」が開業するということで営業の責任者を探しているというお話があったのです。「フォーシーズンズホテル椿山荘東京」にも駐在していた外国人幹部が「フォーシーズンズホテル丸の内」のGM(ゼネラルマネージャー)に着任されて、「日本に帰ってきたらどうか」と声をかけていただきました。

塩川:ここでもご縁に恵まれて、今度は「フォーシーズンズ丸の内」の開業に携わることになったのですね。

浅井:そうですね。「フォーシーズンズホテル丸の内」では2002年から2006年までセールスディレクターを務めました。ところが、同じ営業でも今度はインバウンドになりました。バンコクでやっていたように日本人を受け入れるのではなく、外国のコーポレート、外国のレジャーを受け入れる方に変わったのです。「フォーシーズンズホテル丸の内」は当時初めてラックレート5万円をつけたホテルでしたので、マーケットから抵抗というのは当然ありましたね。今では6万円、7万円は当たり前ですけれども、当時5万円というのは「フォーシーズンズホテル丸の内」が初めてでした。

塩川:今でこそインバウンド需要に湧いていますが、当時は本当に創世記だったのですね。「フォーシーズンズホテル丸の内」では営業職としてどのようなお仕事をされたのでしょうか。

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浅井:当時はとても出張が多かったですね。出張費でラックレート5万円というのは日本国内では、まだまだ抵抗のある時代で、主要マーケットのアメリカ、香港、ヨーロッパ、シンガポールを中心に海外営業に行きました。例えばアメリカだと2週間ほど、主要都市をまわり、ハイエンドな旅行会社やリテールエージェントを1社1社回りました。「フォーシーズンズホテル丸の内」には5年ほどいましたね。

塩川:「フォーシーズンズホテル丸の内」で5年間、その後に新たなご縁に出会われたと伺っています。

浅井:当時、フォーシーズンズホテル香港のセールス&マーケティング部長だった女性がペニンシュラ本社でマーケティングのゼネラルマネージャーに就任し、「『ザ・ペニンシュラ東京』を開業するのだけれども興味はあるか?」という話をいただきました。規模も大きなホテルでチームもいっきに増えるわけですし、これはすごいホテルになるなと興味が湧き、セールス・マーケティング部長として正式にお話をさせていただきました。

塩川:「ザ・ペニンシュラ東京」の開業は2007年でしたか。浅井さんが「ザ・ペニンシュラ東京」に勤務されていた2006年から2013年の間、さまざまなことがあったのではないでしょうか。

浅井:そうですね。開業してすぐにリーマン・ショック、2011年には東日本大震災がありました。震災当時にはどこのホテルも稼働率が1桁ぐらい落ちたのです。もちろんペニンシュラも3%まで落ちました。そこから稼働率を上げなければいけないというのと、従業員のモチベーションというものがありましたので、お客さまを増やしてとにかくホテルを活気づけるというのが最優先で、さまざまな工夫をしました。

塩川:ホテルには活気が必要だということを実感されたのですね。そして2013年、また新たな展開がありました。

浅井:「アマン東京」の方から副総支配人のお話をいただきました。自分としてはずっとセールス・マーケティングに携わってきて、オペレーションに行くのはどうだろうと思ったのです。日本初進出でしたので、いろいろとお手伝いできることがあり、何もないところに入り、備品・装飾品の選定や工事関係で携われるというのは非常にいい経験でした。ブランドとして最高のところまで到達したという気持ちもありました。

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塩川:この時期、別のラグジュアリーホテルからのお誘いもあったそうですが、浅井さんが「アマン東京」を選ばれた背景にはどのような思いがあったのでしょうか。

浅井:「アマン東京」は施設的にも非常に素晴らしいですし、クリエイティブだと感じたのです。また、それまでセールス・マーケティングをやってきましたので、ビジネスモデルとして自分が興味を持てるところで働いてみたいということが自分の考えの中にあったのです。

オークウッドプレミア東京との出会い

塩川:そして「オークウッドプレミア東京」と出会われて、現在に至るのですね。

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浅井:「オークウッドプレミア東京」はおもしろそうだなと思い、自分から求人広告に応募したのです。サービスアパートメントについて大体は知っていたのですけれども、日本で初めてサービスアパートメントとホテルのサービスを兼ね揃えた施設ができるということに惹かれました。実はバンコクにいた頃、サービスアパートメントは業態が違うため気にもしていなかったところ、ある日短期滞在のお客さまのビジネスが流れていってしまったのです。ついに日本にもこのビジネスモデルがきたかと思いました。

塩川:バンコクにいらした当時とは逆の立場でいらっしゃるわけですね。

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浅井:例えビジネスホテルであっても自分のキャリアが磨けるところ、そして利益重視の施設で働いてもいいのではないかということを感じたのです。オークウッドはこれから国内に展開する予定もありますし、アジア太平洋地区では2020年までに約100軒までオープンする予定です。そうした伸びている会社は社内的にもキャリアアップできる環境だと思いました。

塩川:サービスアパートメントに住むことで住民票を取得できるというのはステータスになりますね。一方で、日本ではまだサービスアパートメントという概念が十分には浸透していません。「オークウッドプレミア東京」に滞在される方はどういった使い方をされるのでしょう。

浅井:長期のお客さまであっても、一時的な住居ですね。例えば1~3ヶ月という人が主に滞在されてます。ビジネスのプロジェクトで決まった期間に滞在する人もいらっしゃいますし、地方の中小企業のオーナーの方が東京にいらっしゃるときのセカンドハウスとしてご利用いただくこともあります。外国人のお客さまですと、レジャーで1ヶ月間、ここを拠点に日本をじっくりみたいという方もいらっしゃいますね。ホテルに泊まると食事や洗濯、部屋が狭かったり、いろいろな部分で不便だからサービスアパートメントがいいとおっしゃいます。

塩川:ここの拠点に、よい時間をつくりあげたいという人にとっては本当にいい場所になりますね。アパートメントとはいえ、光熱費などはかからないのですよね。

浅井:そうですね。スーツケース1つでその日から生活できるというのは非常に大きいなポイントだと思います。通常の賃貸物件では敷金、礼金、光熱費が発生したりインターネットを契約したりという手間があります。そういった一連の事務作業は、ここでは必要ありませんね。

「丸の内に住む」という体験を届けるために

塩川:「オークウッドプレミア東京」はサービスアパートメントとして「丸の内に住まう」といった、普通では味わえないような体験を叶えることができます。空港へもバスが直結していてとてもアクセスが便利です。グローバル感覚でスピーディーに時間を管理したい方にとっては非常に利便性がよいですし、滞在の仕方を自分なりにアレンジすることができますね。

浅井:「丸の内に住む」という1つのステータスという部分もありますね。また、東京駅隣接ということで移動など時間的なロスが少ないのです。周りに商業施設がたくさんあり、そこに住居を構えるというのは今まで無いケースだと思います。我々は、ライフスタイルをつくりあげる空間、また、ライフスタイルそのものを提供している宿泊施設です。

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塩川:過ごすスキルさえあれば、非常にリッチな時間のつくりかたができると思いますね。利用者の方からはどういったお声が届いていますか?

浅井:立地、施設、サービスとありますが、立地がよいというのが1番多いですね。サービスがフレンドリーだった、非常によくしてくださった、というフィードバックも多いですね。サービスアパートメントがあらたな発見だったという人もいらっしゃいます。

塩川:最後に、今後のオークウッドプレミア東京さまの展望を教えていただけたらと思います。グループとしての展開や、東京の地でどういったお客さまに活用いただけると最適かという、お客さまに対するメッセージといいますか。

浅井:サービスアパートメントは、一般の方にはあまり縁のない施設というのが今までです。先ほど長期で1ヶ月、2ヶ月というお話をしましたが、1週間や2週間という方も多いです。例えば地方から東京に遊びに来られて1週間滞在するのでしたらビジネスホテルに宿泊されるよりは、洗濯機やキッチンのついているサービスアパートメントの方が自分の普段の生活に近い滞在が可能になります。洗濯機があれば荷物が少なくて済みますし、スーツケースを宅急便で送ってここで滞在されれば手ぶら旅行ができますね。スマートトラベルが実現します。

塩川:シンプルかつ洗練されたスマートトラベルを提案するという、御社の立ち位置が見えた気がします。

浅井:普段の生活ペースでご滞在いただくのがいちばんです。あえてなにかしなければいけないとか、密に計画を立てるのではなく、普段の生活リズムをそのまま持ってくる。起きたいときに起き、寝たいときに寝て、食べたいときに食べる。衣食住の「食」「住」がととのっているので肩を張らずにステイをくつろげる空間でご滞在いただけます。

塩川:今後、サービスアパートメントというものが日本でどういうふうに広がりを見せるのか、そういったお考えがあればお聞きしたいと思います。

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浅井:今後は、東京よりも他の都市にこそサービスアパートメントが進出していくべきだと思います。例えば、京都にサービスアパートメントがあったらよいですね。外国人が2週間滞在し、そこを拠点に散策できたらと思います。海外旅行ですとヨーロッパやアメリカに1週間滞在しますよね。では福岡に1週間滞在して楽しんではどうかと、そういうところにサービスアパートメントがあればまた違った旅があるのではないかと思います。

塩川:御社が日本におけるサービスアパートメントのパイオニアといった立ち位置になっていきそうですね。

浅井:そうですね。レジャーやビジネスで短期・長期で滞在するゲストのライフスタイルやビジネススタイルに合ったサービスを提供できればと思います。

塩川:自分のライフスタイルをつくりあげる滞在地としてのサービスアパートメントというお話が、とても印象的でした。本日はありがとうございました。

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写真:川田 悠奈 / 文:宮本 とも子

オークウッドプレミア東京 総支配人 浅井 信一路

オークウッドプレミア東京 総支配人

浅井 信一路

デンバー大学ホテル・レストラン経営学部卒。アメリカとカナダでホスピタリティの経験を培い、フォーシーズンズホテル椿山荘東京とバンコク、フォーシーズンズホテル丸の内 東京、ザ・ペニンシュラ東京を経て、アマン東京の開業の統括し副総支配人を務める。2015年、オークウッドプレミア東京の総支配人に就任。

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東京都 > 銀座・日本橋・東京駅周辺

「丸の内に住む」ように滞在することができる、オークウッドプレミア東京。 1泊から長期滞在まで可能なサービスアパートメントは、新しい東京の魅力を教えてくれます。

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