Relux Journal

ライフスタイル系ホテルという新しいホテルの楽しみ方を日本に浸透させた、アンダーズ 東京。アンダーズ 東京に開業前から携わり、愛を持って育て続けるお二人にお話を伺いました。

ゲスト

アンダーズ 東京 総支配人室長 髙野 圭介

アンダーズ 東京 総支配人室長

髙野 圭介

1976年生まれ。イングランドでのフットボールキャリアを経て、2001年大学卒業後、帰国しホスピタリティ業界へ。数々の会員制クラブやホテルにてHRとして勤務。3つのハイアットグループのホテル開業に携わる。2011年に森ビルホスピタリティコーポレーションに入社後、社内のクラブ、スパ事業部にて人材開発部長を経て、2013年にアンダーズ 東京へ人材開発部長として異動。現在はアンダーズ 東京の総支配人室長として勤務。

ゲスト

アンダーズ 東京 セールス&マーケティング 部長 大野 修一

アンダーズ 東京 セールス&マーケティング 部長

大野 修一

1972年 東京生まれ。1995年 ホテル日航東京(現ヒルトン東京お台場)に開業1期生として入社。2002年 グランド ハイアット 東京 開業準備室、その後、コンベンションサービスマネージャー、イベントディレクター、営業部長などを経て、2013年 アンダーズ 東京の開業準備室にセールス&マーケティング部長として着任、現在に至る。

インタビュアー

株式会社 Loco Partners 営業部 部長 新村 崇

株式会社 Loco Partners 営業部 部長

新村 崇

大学卒業後、組織人事コンサルティング会社に入社。様々なクライアント企業の人事・組織開発プロジェクトに従事。2013年に株式会社Loco Partnersに入社し、Reluxのサービス立ち上げに参画。日本全国の宿泊施設様への営業活動等に従事し現職に至る。

第1章 これまでのラグジュアリーホテルとは違う、アンダーズというブランドとの出会い

新村:最初に、大野さんはどのようなきっかけでアンダーズ 東京に関わり始めたのかをお伺いできますか。

大野:アンダーズ 東京の一員になる前は、系列のグランド ハイアット 東京に勤めていました。グランド ハイアットは、非日常をホテルが演出する普遍的なラグジュアリーホテルです。一方でアンダーズは、一人一人のゲストが型にはまることなく自分のスタイルで楽しめるライフスタイル系のラグジュアリーホテルで、それぞれ違った楽しみ方があると思っています。ちなみに「アンダーズ」とはヒンディ語で「パーソナルスタイル(個性)」を意味します。一人一人のゲストに自分のスタイルで楽しんでもらいたい、という想いがブランド名に込められています。

アンダーズ 東京

最初にこのプロジェクトに入った際は、ハイアットが提唱する「アンダーズ」という「新しいラグジュアリー」の考え方をイマイチ理解できませんでした。しかしながら、ブランドを理解する為に研修で行かせてもらった、ロンドンとアムステルダムのアンダーズでの体験が、私の「アンダーズ・モード」にスイッチを入れてくれました。アムステルダムのアンダーズのロビーにある「アンダーズ ラウンジ」で、一人で黙々と仕事をしていた時がありました。おそらく10時間以上飲まず食わずで、気が付くと時計は夜中の2時を回っていました。さすがに見かねたフロントスタッフが近づいてきたので、追い出されるのかと思っていたら「あなた、お腹すかないの?ルームサービスのメニューを持ってくるから、何か食べたら?」と。思わず「え?でもここロビーだからダメでしょう?」と返すと、「夜中の2時で誰もロビーにいないんだから、誰にも迷惑かからないじゃない」と言ったのです。アンダーズが謳う「型にはまらない、筋書きのないサービス」とはこういうことなんだ!と体感できた瞬間でした。滞在中、他にも多くの「アンダーズ体験」をし、理解ができました。

新村:海外に行かれたことで、日本に戻った時のイメージが膨らんだのですね。

アンダーズ 東京

大野:そうですね、それで僕の中でもこんな面白いブランドを日本のお客さまに紹介したいと、スイッチが入りました。

高野:最初は私も大野さんも、典型的なラグジュアリーホテルのマインドが強かったですね。私も箱根や京都など、他のハイアットホテルの開業をやってきて、今の会社に入りアンダーズ 東京にくる前も、会員制クラブやスパ事業部で勤務しており、会員の方々へ5スターレベルのおもてなしを意識して取り組んできました。アンダーズの初代総支配人に出会ったことで、彼から日々刺激を受け、上質でありながらも個々のスタイルで楽しめる心地よいサービスを提供するアンダーズマインドに、徐々に考え方が変わっていったと思います。

新村:高野さんは現在どのようなお仕事をされていらっしゃいますか。

高野:現在は、総支配人室という人事総務、経理、セキュリティ、衛生関係を管理する部門で勤務しておりますが、オーナー会社、弊社役員、総支配人、および各部門長との調整業務が主です。なんでも屋ですかね。アンダーズ 東京での最初の3年間は、人材開発部長をしておりました。2001年にイギリスから帰国して、それ以降はホスピタリティ業界でほぼずっとHRを追及してきました。

新村:組織を作るのに大事な、”人”に大きく関わっていられるのですね。

第2章 0から理解し、浸透させていったアンダーズの世界

新村:アンダーズ 東京開業にあたって、お二人は開業プロジェクトの段階から携わっていらっしゃるんですよね。

高野:そうですね、私たちはずっといます。アンダーズを日本で開業する話があったときすでに、東京にはグランド ハイアット 東京、パーク ハイアット 東京などいくつかのハイアットホテルがありました。そんな中でもハイアットが、アジア2つ目のアンダーズの開業場所として、スポットライトを当てたのが東京でした。アンダーズ 東京開業準備室ができる前の準備段階から開業業務に携わり、開業準備室が立ち上がり大野さんと同じに日に着任しました。総支配人をはじめ、開業時のシニアマネジメントメンバーは、本当に独創的で、常に斬新なアイディアを実行に移す人たちでした。最高のメンバーだったなと感じます。

新村:開業準備室ができる前からアンダーズ 東京を作るために奔走されていたのですね。アンダーズというホテルはすぐに理解できましたか。

高野:アンダーズのブランドやコンセプト、マインドを初めて聞いたときは、驚きとともに、どうやってこのブランドをスタッフに浸透させていけば良いか悩みました。新しいホテルの考え方でしたね。それぞれの、ホテル業界での当たり前を当たり前じゃなくするためには、異業種の人たちの力を借りたいというのもあり、ホテル業界経験者以外の採用も積極的に行いました。私たちはどうしても既存の考えが拭いにくかった中で、アンダーズのパーソナルスタイルを自然に表現できるメンバーを探しました。独創的で私たちでさえも刺激を受けられる個性豊かな人材を集めるために、採用にオーディションや想像力を図るアクティビティ、私たちも参加したブレインストーミングなどもしました。単なる専門的スキルよりも、その人が持つパーソナルスタイル、どのように自己表現するか、アンダーズを見える化してゲストに伝えていけるかを重要視しました。いかに自分のアイディアや、特徴ある考えをもっている人を採用するかを考えていましたね。今でも一人一人のオーディションでの表現を覚えています。

新村:オーディションでの採用は聞いたことがなかったです。

高野:おかげで随分面白い人材が集まりました。それぞれがうまく自分を出せるように全体をまとめていけたのもよかったと思います。

アンダーズ 東京

大野:せっかく全く新しいラグジュアリーホテルをつくるのだから、これまでの考え方を覆すやり方でやろうというのがあったので経験者にこだわらず、型にはまらない接客ができる人を集めました。スタッフ同士で食事に行った先のレストランで個性のあるウェイターがいたら、「今度新しいホテルを作るんだけど一緒にどう?」とか声かけたりもしました。常識にとらわれない新しいホテルを作るため、従業員一人一人の個性を大切することもそうですが、ゲストそれぞれのパーソナルスタイルに応えるためには、より柔軟性のある多様な人材が必要と考えたからです。

高野:個々のパーソナルスタイルを表現させるため、サービスや業務のスタンダードを細かく作成しないこと。それから、上下関係と部門間のバリアフリーを構築することに努めました。クリエイティブなアイディアを生み出す弊害となるような要素は少しでもなくそうという考えです。例えば、総支配人を含め誰であれファーストネームで呼び合うなど、日々のちょっとしたことからもです。シニアマネジメントの多くがアンダーズのコンセプトを理解しつつ、どんどん新しいことに挑戦していくことで、スタッフも失敗を気にせず、日々過ごせたのだと思います。

大野:アンダーズの「筋書きがないサービス」は、マニュアル通りのサービスを最小化することから始まりました。それぞれのゲストが自分のスタイルでくつろいでいただけるように、一人一人のスタッフに何が出来るかを、自発的に考えることを大切にしています。

高野:ポリシーも最初は作らなかったですね。もちろんある程度のコントロールはしないといけないですが、縛ることはないです。

大野:開業準備室のスタート時に、まずは部門の規則づくりから始めようとしたところ、当時の総支配人に怒られたことをよく覚えています。「一度規則を書面にすると、人はそれに縛られてしまい、思考が停止してしまうから絶対につくるな」と。

新村:アンダーズ流がどういうものか浸透させるためには、ルールとして書面にして、と普通は考えてしまいますが、逆の発想ですね。

高野:他のアンダーズのHRからやり方を聞いたり、実際にスタッフに海外のアンダーズに行って体験してもらったりもしました。どこのアンダーズスタッフも「自然体」を重要視されており、そのため、同じブランドであるにも関わらず、それぞれのアンダーズにオリジナリティがありました。なのでアンダーズ 東京でも今までのホテルにはないサービス、アンダーズ 東京ならこういうところもあるよなというのを尊重していくようにしました。

新村:お互いに学び合うことで、築きあげたものがあるのですね。

アンダーズ 東京

高野:開業時は、新しいスタッフが研修を終えると、アンダーズの「パスポート」に、総支配人がビザ(査証)をスタンプして手渡ししていました。一緒にアンダーズの旅に出る証です。そこにはアンダーズ 東京の一員として知っておくべき、虎ノ門の歴史やデザイナーの想いといった情報と、「自分のパーソナルスタイルを大切にして、こういう心構えでいてほしい」といったヒントになることだけが書かれています。普通の会社で配られるような会社の規則や規程は一切書かれていません。

新村:書いてあるのはヒントだけというのはシンプルですね。新しいスタイルのホテルは、受け入れられるのが難しい場合もありそうですが、すぐにゲストに受け入れられましたか。

高野:サービスに関しては、最初は厳しいご意見もたくさんいただきました。全く新しいラグジュアリーの考え方だったので、当然と言えば当然です。もちろんお客さまからのご指摘には真摯に耳を傾け、改善すべき点はただちに取り組みましたが、一方でブランド価値として譲れない点は、ブレずに続けていきました。例えば、ホテルでは当たり前のネームプレートは、世界中のアンダーズでは使っていません。私たちはネームプレートがお客さまとの間に距離感を生み、結果パーソナルな関係構築が難しくなると考えるからです。これを新鮮に感じていただいたお客さまもいる一方で、「誰に声をかけていいのか分からない」というご意見も多くいただいたので、改善すべきだと考え、ネームプレートの代わりに、目印としてAndazロゴのバッチを作りました。

第3章 どこか懐かしさを感じる、和のデザイン

新村:開業時に想定されていたターゲットに「クリエーター」があったようですが、今は様々なゲストに居心地良く感じてもらえているように見えます。実際に私も子供を連れて家族で泊まった際も快適に過ごさせていただきました。どんな人に楽しんでいただきたいか、思いはありますか。

高野:決してターゲットを「クリエーター」に絞っていた訳ではありませんが、新しいコンセプトのホテルとして、クリエイティブな職業の方のご利用が多かったのは事実で、それは今も変わりません。しかしコロナ以降は、ご家族連れや若いカップル、シニア層まで、国内の様々なお客さまをお迎えしていますので、どのような層の方でも、自分のスタイルで楽しめるアンダーズの魅力を感じていただけるよう、サービスを見直しています。それから「地域」も大切にしています。「地域の魅力」を感じてもらうために地域の方々とのコミュニケーションも大切にしており、入社研修では必ず、1日街歩きをして街を知ってもらう研修があります。

新村:地域密着型で歩まれている背景はありますか。

高野:アンダーズには「Arrive a visitor, Depart a local(帰るころには地元を離れるかのように)」という特徴的なコンセプトがあります。ゲストにその土地ならではの体験を楽しんでいただきたいという想いから、私たちスタッフも虎ノ門への理解を深めるよう日々取り組んでいます。特に虎ノ門は、未来に向けて発展目まぐるしい一方で、伝統ある城下町としての趣も残っています。その魅力を知るために、古くから虎ノ門でご商売されている地元のお店の方々と積極的に交流して、虎ノ門の歴史や文化を教えていただいています。

大野:地域の魅力を感じてもらえるのもアンダーズの面白さの1つです。多くの外資系ホテルでは、グローバルスタンダードに基づく統一アメニティが使われていますが、アンダーズでは、出来る限り地域の方々と一緒に開発したオリジナルなアイテムを採用しています。アンダーズ 東京ではお部屋のミニバーのお菓子も地元のお煎餅屋さんの商品です。また、現在、和菓子屋さん巡りやスペシャルティコーヒーショップ巡りなど、日替わりのテーマで、コンシェルジュと一緒に街歩きをするようなツアーも宿泊者向けに無料で開催しています。無料のユニークなアクティビティやサービスを充実させているので、滞在を通してアンダーズならではの刺激的でクリエイティブな体験をお楽しみいただけると思います。

アンダーズ 東京 アンダーズ 東京

新村:すべてのゲストに対してふらっと楽しめる、身近な存在になっていらっしゃるように感じました。館内のデザインも特徴的だと思いますが、具体的に感じてもらいたいことやポイントはありますか。

大野:館内のデザインは2人のデザイナーさんがエリアによって分けて担当してくれました。ロビー・レストラン・客室は台湾系アメリカ人のトニー・チー氏が、宴会場やチャペル、バーや寿司レストラン、スパは、緒方慎一郎氏が率いるSIMPLICITYが手掛けられました。いずれも全く異なるトーンでありながらも、地域の魅力を感じていただくアンダーズのコンセプトに基づき、日本人が昔から大切にしてきた美意識が表現されています。華美な装飾を控え、木や石といった天然素材がもつ美しさを尊重したデザインです。トニー・チー氏がデザインした部分のコンセプトは「記憶」です。彼は折り紙が好きなのですが、その魅力として折る度にその折り目に「記憶」が宿り、形ができていくことをあげています。折り紙を、様々な経験を繰り返しながら人生を形作るさまに重ねていました。ここアンダーズで経験を重ねて、豊かな人生を歩んでほしい、という想いです。館内で「和紙」が多く使われているのも、そこに職人さんの想いや記憶が宿っている、という理由からです。

新村:トニー・チー氏にはそういう想いがあったのですね。

大野:そうですね。お部屋には彼の、日本家屋に対するオマージュがちりばめられています。例えば、とても広々とした「土間」のような客室の入口の空間です。実はここには、可動式の扉が隠されています。滞在スタイルに合わせて扉を動かすことで、入口の空間をベッドルームの延長で使ったり、バスルームの延長に使ったり、と切り替えられます。まるで、用途にあわせて、襖や障子といった間仕切りの位置を変えながら工夫して生活してきた、日本人の器用さのようです。また、この窓側に配置されたソファ。普通に考えたら、窓側は景色を楽しむために家具を置かないですよね。でも彼は、「僕は子供のころ、雨が降ると、家の縁側から身を乗り出して、軒下を流れる雨水を覗きこんで楽しんでいた。アンダーズ 東京に泊まるゲストには、童心に帰ってぜひこのソファに馬乗りになって、眼下に広がる景色を楽しんでもらいたい。」と熱く語ってくれました。

新村:縁側の下とは違って広がるのは東京の街ですが、子供心を思い出して楽しめますね。ルーフトップバーがあるのも、開業時は珍しかったのではないでしょうか。

アンダーズ 東京

高野:ルーフトップバーは虎ノ門ヒルズのホテル最上階である52階にあり、景色、雰囲気はもちろん、セミオープンのテラスエリアには心地よい風も入ってくるので、季節を感じられる所としても人気です。また、52階には落ち着いた茶房を思わせる大人の隠れ家「the SUSHI」という寿司レストランもあります。ここは、8席しかないのでまさに隠れ家ですね。

大野:ルーフトップ バーやthe SUSHIがある52階は、フロア全体を日本庭園になぞらえて作られています。日本庭園を構成する3つの要素、神殿と書院とお茶室。神殿の代わりにチャペル、書院の代わりに会議を行う宴会場、そして、お茶室の代わりがバーです。なので、ルーフトップ バーのコンセプトはお茶室。囲炉裏のようなエリアがあるだけでなく、お茶を使ったミクソロジーカクテルを提供するなど、ここでもアンダーズならではの地域の魅力を感じていただけます。

第4章 アンダーズの世界を広めていく

新村:コロナ以降苦しく状況が変わっていったかと思います。これからアンダーズ 東京はどんなふうに展開していきたいですか。

大野:もちろんコロナによる影響は小さくはありません。しかしながら、ポジティブに考えると、コロナによって気づいたこともいっぱいあります。みんなで原点に返って、自分たちが提供できるサービスや価値を見直しました。例えば地上約250mのルーフトップ テラスです。コロナ前は、この空間は宴会場として一部のお客さましか入れませんでした。ですが、折角のオープンエアの絶景なので、より多くのお客さまに楽しんでいただきたいと考え、新しく「夜景観賞」の時間を設け、現在ではご宿泊の方々に楽しんでいただいています。今後も、発想の転換でアイディアを生み出し、ゲストがよりアンダーズらしさを体験できるような機会を増やせていけたらと考えています。

新村:コロナ以降に新しくいらっしゃった日本のゲストにも今後リピートしてもらえるのも、ポジティブに捉えられる部分だと思いました。スタッフの変化はありましたか。

アンダーズ 東京

高野:ゲストに対して満足のいくサービスを提供するには人の力が必要不可欠です。ですから、今だからこそできる教育や採用を通じて、アンダーズ 東京の魅力をスタッフに伝え、ゲストに表現できるようにしていきたいですね。挑戦ではありますが、ホテル業界をより一層魅力ある業界にしていきたいです。

新村:スタッフの力はサービスに還元されますね。

大野:これからも、スタッフとともに進化していきたいですね。開業の頃はまだ日本に「ライフスタイル系ホテル」が少なかったので、従来のホテルにはなかった「型にはまらない楽しさ」を伝えることに注力しました。その後ライフスタイルホテルの開業が続き、今ではすっかり定着しているので、今度は二代目総支配人のもと、その中で私たちが目指す「ラグジュアリー ライフスタイル」という考え方、洗練さや上質なサービスに磨きをかけている段階です。まさにこのホテルは、訪れる度に新しい一面に出会える生き物だと感じます。

高野:スタッフの話でいうと、アンダーズ 東京のスタッフはどこへ行っても通用するという状態を目指しています。接客の基礎となるスキルは持ちつつも、パーソナルスタイルを叶える柔軟性に富んだ対応ができるよう、自分で物事を考え、行動、表現できるようにしていきたいです。今いるスタッフは開業メンバーの思いを継承しつつ、時代とともに進化していると思います。現総支配人の下、個々のスキルも大事ですが、チームワークを重んじているので、多くのスタッフが自分本来の業務外でもマルチに活躍しています。今後もアンダーズ愛を持ったスタッフを増やしつつ、常に進化していくために新たな風もいれていかないといけません。

新村:コロナ以降ホテル業界は厳しい部分もありますが、ホテル業界で働きたい人も多いと思うので、勇気づけられて希望が持てるホテルがアンダーズ 東京であるといいなと思います。人以外の観点では、いかがでしょうか。

高野:アンダーズ 東京は世界で12番目にできたアンダーズですが、今は世界に26あり、今後も引き続き数多くのホテルオープンを控えています。日本国内にもアンダーズが増えて、アンダーズのマインドが浸透してくれたら私たちも嬉しいし、それが楽しみでもあります。

大野:グランド ハイアット、パーク ハイアットは世界中どこに行っても普遍的な高級感を感じられる魅力があり、それがブランドの安心感でもあります。ただ、アンダーズは、それぞれの地域の魅力を感じられる楽しさがありますね。日本は小さい国ですが、地域によって違う文化、魅力があるじゃないですか。グローバルブランドである私たちだからこそ、その魅力を伝えられて、それぞれの地域で個性を出していけると思います。また、アンダーズ 東京でアンダーズの魅力を知った方には、海外旅行が出来るようになったら、ぜひ海外のアンダーズも楽しんでもらえればと思います。

新村:先ほどのアムステルダムでのお話もそうかもしれませんね。それぞれの地で共通の考え方、その土地らしさを作り上げていくところがありますね。これまでアンダーズ 東京の記事には出てこなかった部分もお伺いできてよかったです。ありがとうございました。

アンダーズ 東京

写真:池田 睦子 / 文:伊藤 里紗

アンダーズ 東京 総支配人室長 髙野 圭介

アンダーズ 東京 総支配人室長

髙野 圭介

1976年生まれ。イングランドでのフットボールキャリアを経て、2001年大学卒業後、帰国しホスピタリティ業界へ。数々の会員制クラブやホテルにてHRとして勤務。3つのハイアットグループのホテル開業に携わる。2011年に森ビルホスピタリティコーポレーションに入社後、社内のクラブ、スパ事業部にて人材開発部長を経て、2013年にアンダーズ 東京へ人材開発部長として異動。現在はアンダーズ 東京の総支配人室長として勤務。

アンダーズ 東京 セールス&マーケティング 部長 大野 修一

アンダーズ 東京 セールス&マーケティング 部長

大野 修一

1972年 東京生まれ。1995年 ホテル日航東京(現ヒルトン東京お台場)に開業1期生として入社。2002年 グランド ハイアット 東京 開業準備室、その後、コンベンションサービスマネージャー、イベントディレクター、営業部長などを経て、2013年 アンダーズ 東京の開業準備室にセールス&マーケティング部長として着任、現在に至る。

アンダーズ 東京

アンダーズ 東京

東京都 > 六本木・麻布・虎ノ門

ハイアットが手がける日本初のラグジュアリー ライフスタイルホテル。ラグジュアリーならではの上質な空間とホスピタリティはそのままに、そこで暮らしているかのように自分らしくリラックスできる居心地の良さが特徴です。