断崖絶壁に続く10数kmの謎の道から化石の見つかるエリアまで、千葉県銚子市は未知との出会いに溢れた不思議な観光スポットです。青い空と灯台、レトロな雰囲気の白いポストが組み合わさり秀逸な写真を撮れる場所やクルーズ船から絶景を見られる場所など、カメラに収めたくなるスポットが数多くあります。今度の休日は、絶景に癒される時間を満喫しに、足を運んでみてはいかがでしょうか。
1.犬吠埼灯台
出典:PIXTA
「犬吠埼灯台」は断崖絶壁に立てられたレンガ作りの白亜の灯台です。英国人のリチャード・ヘンリー・ブラントンによって作られて以降、銚子のシンボルです。99段の階段を登った先にある展望台からは、270度の大パノラマが広がります。若干風が強いものの、遮るもののない場所からの景色は絶景の一言に尽きます。本州で最も早く朝日が登る場所でもあり、ここから一日を始めれば、日本で一番長く日中の時間を過ごすことができます。また、資料館には灯台のレンズなどが展示されています。ただし、風雨の強い日には灯台に入ることができないこともあるので、訪れる際にはお気をつけください。
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ちなみに白亜の灯台である「犬吠埼灯台」には、レトロな雰囲気の丸ポストがあるのをご存じでしょうか。灯台に合わせて真っ白なポストで、灯台の白が青い空に映えて、秀逸な写真が撮れることでしょう。
2.丘展望館
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北総地区で最も高い山の上に作られた展望台です。展望台からは丸い地平線を見渡すことができます。眼下には10数基の風力発電所が広がり、晴れた日には富士山や筑波山が見えることも。また西側の奥には、『東洋のドーバー』とも呼ばれる屏風ヶ浦を一望することもできます。また、年に数度は富士山と太陽の光が交わる「ダイヤモンド富士」が現れることもあるようです。
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「イベントホール」に飾られている絵画は「加工場の男」というタイトルで、銚子をよく知る渡辺学のもの。独特のタッチで、思わず惹きつけられる作品が多く展示されています。また、鮫の歯を使ったストラップ作りなどの無料で参加できるイベントも行われており、家族みんなで楽しめるスポットです。
3.銚子ポートタワー
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「犬吠埼灯台」と並んで、銚子のもう一つのシンボルが「銚子ポートタワー」です。総ガラス張りのツインタワー構造になっており、地上43mにある展望台からは銚子の大海原や利根川、銚子漁港の水揚げしている光景を見ることができ、季節によってはぼんやりと富士山も見ることができます。
4.妙福寺
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「妙福寺」は日蓮宗の寺院です。かつては表高10万石を与えられた寺院は広大な敷地面積を持ち、表門の枡形大池や大井戸にその経済力をみることができます。宮中からも厚い庇護を受け、「緋紋白五條」や「女帝用乗輿等」などの多くの品を下賜されました。「妙見宮本殿」では聖徳太子作の「北辰妙見大菩薩像」などの貴重な歴史遺産が公開されています。また、この本堂を始めとする多くの建物の建築に釘が一本も使用されておらず、当時の高い技術力を知ることができます。
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「妙福寺」はフジの名所としても知られており、「野田藤」という品種のフジが1.5mものサイズの花房を付けています。別名「臥龍(がりゅう)の藤」とも呼ばれる古木は樹齢750年を数え、毎年5月になれば「紫の花すだれ」を見ることができます。名前の由来は、その幹を見るとすぐにわかります。複雑にうねる太い幹は、まさしく龍。花の優美さと対照的に、力強さを感じることができます。この藤は「野田藤」という種類で、京都御所内に植えられていた藤が移植されたといわれています。
5.圓福寺
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「圓福寺」は観音堂を中心に作られた真言宗の寺院です。銚子市の中心地に位置することから多くの観光客で賑わい、寺院内には貴重な美術品や古文書などが多く保管されています。特に、その中のひとつ、京都縫物師の制作した「釈迦涅槃殿」は千葉県の重要文化財に指定されています。「釈迦涅槃図」とは、釈迦が身体を横たえ入滅する様子を描いた図で、仏教のなかでは、最も高い質の悟りの状態とされています。こちらは絵ではなくさまざまな色の糸を使った刺繍でできており、大変貴重かつ見応えのあるものとなっています。
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また、「龍神」は珍しい異国の婦人の姿をした女性の船首像で、地元の人には婦人病を治す効果があると信仰されています。その返礼として市民の間には「龍神堂」に腰巻きを奉納する習わしがあり、当時は多くの腰巻きが収められていました。他にも、「古帳庵句碑」には江戸時代の豪商・古帳庵の詠んだ俳句が刻まれており、現在では、この句は銚子を代表する一句として知られています。ちなみにここは、坂東三十三観音霊場の札所でもあり、別名「飯沼観音」とも呼ばれています。
6.屏風ヶ浦
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銚子市~飯岡町の刑部岬まで断崖絶壁の遊歩道が10kmに渡って続くスポットです。その荒々しくも美しい景観から「東洋のドーバー」とも呼ばれ、年間を通して冒険好きや絶景を求める写真好きの多くの観光客が訪れます。天候によっては道が濡れていることもあるので、歩きやすい靴で訪れることをおすすめします。
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屏風ヶ浦をしっかりと堪能したい方は、クルージングがおすすめです。およそ10kmに渡る断崖絶壁は、陸地の上からではなく、やはり正面からの方が圧巻です。その高さはなんと40mから50mもあり、大迫力の絶景を一望します。クルーズ船就航の時期は、1月、2月、そして9月から12月。大人1人あたり2,500円で体験できます。詳しくは銚子海洋研究所までお問い合わせください。なお同団体では他に、イルカや鯨ウォッチングも催行しています。
7.犬吠埼
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「犬吠崎」は源義経を慕う忠犬が、7日7晩に渡って鳴き続けたことからその名が付いたといわれています。手付かずの自然が多く残されており、灯台や温泉などのレジャースポットも充実しています。また、断層の一部は中生代~新世代までの地層が観察できる日本でも貴重なスポットになっており、時折化石が発掘されることもあるようです。散策の際には「犬吠埼灯台」の下の遊歩道がおすすめです。こちらは磯伝いに作られた道で、岸壁に押し寄せる波を間近に見ることができます。
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手すりのある石の階段を下っていくとその遊歩道に出られるのですが、海に近づく分、より身近に潮風を感じることができます。砂浜もあるので、波打ち際まで行くことも可能です。近くには無料駐車場も完備しているので、ゆっくりとお散歩してみてはいかがでしょうか。岩肌に勢いよく打ちつける波からは、地球の力強さを感じることができるでしょう。
8.銚子漁港
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「銚子漁港」は世界最大の寒流「黒潮」と栄養塩を豊富に含んだ暖流「親潮」によって、日本でも屈指の水揚げ量を誇り、マダイやカツオなど豊富な種類の魚が取れる、関東でも屈指の漁港です。卸売市場も併設しており、一般の人が利用できる小売店では、干物や天ぷらなどを購入することができます。周辺には食堂も豊富に揃っており、新鮮な魚介類を丼や刺し身などでいただくことができます。
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漁港では常に大勢の人がせわしなく働いており、その合間を縫ってたくさんの猫やカモメがくつろいでいます。ここで見られるカモメの多くは「セグロカモメ」といい、他にも、くちばしの先端が赤と黒くなっている「ウミネコ」や、赤いくちばしと足が可愛らしい小型の「ユリカモメ」が見られます。時折、魚を飲み込んだり、取り合いしている姿も。そんな風景を眺めながら、のんびり過ごすひとときも銚子ならではの楽しみ方です。
自然が美しい街で、疲れを癒す旅へ
いかがでしたか。銚子に観光に行く際にはぜひ、カメラを持参してみてください。犬吠崎や屏風ヶ浦で自然が作り上げた絶景を眺めたり、銚子漁港でセグロカモメやウミネコの姿に癒されたり。フジの名所と知られている寺院もあり、休日にふらっと観光するのにぴったりです。
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